三味線の調弦の違いとは?本調子・二上り・三下がりをわかりやすく解説
三味線を始めると必ず出てくるのが「本調子・二上り・三下がり」という言葉。
どれも調弦(チューニング)の種類ですが、
- 何が違うの?
- どう使い分けるの?
と迷う方も多いはずです。
この記事では、三味線の基本となる3つの調弦の違いを、初心者でも理解できるようにわかりやすく解説します。
三味線の調弦とは?
三味線には3本の弦があり、それぞれ
- 一の糸(いちのいと):太い弦
- 二の糸(にのいと):中くらい
- 三の糸(さんのいと):細い弦
と呼ばれています。
この3本の音の高さの関係(音程)を変えることを「調弦」といい、
これによって曲の雰囲気や表現が大きく変わります。
👉 たった1本の弦を変えるだけで、音楽の印象がガラッと変わるのが三味線の面白さです。
三味線の調弦は3種類だけ覚えればOK
三味線の基本となる調弦は、次の3つです。
- 本調子(ほんちょうし)
- 二上り(にあがり)
- 三下がり(さんさがり)
この3つを理解すれば、ほとんどの曲に対応できます。
本調子(ほんちょうし)|基準となる調弦
三味線の中でもっとも基本となる調弦です。
音の関係(例)
- 一の糸:ド(基準音)
- 二の糸:ファ(4度上)
- 三の糸:ド(さらに5度上=1オクターブ上)
特徴
- 落ち着いた響き
- 安定感がある
- どのジャンルでも使われる
義太夫節や長唄、端唄など幅広く使われる、いわば“標準の調弦”です。
👉 初心者はまずこの調弦から覚えるのがおすすめです。
二上り(にあがり)|明るく華やかな調弦
本調子から二の糸を上げた調弦です。
音の関係(例)
- 一の糸:ド
- 二の糸:ソ(5度上)
- 三の糸:ド(1オクターブ上)
特徴
- 明るく軽やかな音
- 華やかで弾むような響き
- 開放弦が気持ちよく響く
長唄や小唄などで多く使われ、
楽しく軽快な曲や、華やかな場面に向いています。
三下がり(さんさがり)|色気と哀愁のある調弦
本調子から三の糸を下げた調弦です。
音の関係(例)
- 一の糸:ド
- 二の糸:ファ(4度上)
- 三の糸:シ♭(本調子より低い)
特徴
- 独特の緊張感
- ねっとりとした響き
- 色気や哀愁を強く表現
端唄や小唄など、恋愛や情念を表現する曲によく使われます。
👉 三下がりだけ雰囲気がガラッと変わるのがポイントです。
3つの調弦の違いを比較
| 調弦 | 二の糸 | 三の糸 | 雰囲気 |
|---|---|---|---|
| 本調子 | 4度上 | さらに5度上 | 落ち着き・標準 |
| 二上り | 5度上(上がる) | 4度上 | 明るい・華やか |
| 三下がり | 4度上 | 下がる | 色気・哀愁 |
👉 覚え方はシンプル
- 本調子:そのまま
- 二上り:二の糸が上がる
- 三下がり:三の糸が下がる
演奏中に調弦を変える「調子替え」
三味線では、曲の途中で調弦を変えることがあります。
これを
- 調子替え
- 替手(かえて)
と呼びます。
例えば、
- 前半:本調子(落ち着いた雰囲気)
- 後半:二上り(華やかに盛り上がる)
といったように、音の印象をドラマチックに変えることができます。
実際の音名で見る(D基準)
三味線は曲によって基準音が変わるため、
ここでは「一の糸=D(レ)」の場合で説明します。
| 調弦 | 一の糸 | 二の糸 | 三の糸 |
|---|---|---|---|
| 本調子 | D | G | d |
| 二上り | D | A | d |
| 三下がり | D | G | c♯ |
音程で見ると
- 本調子:4度+5度
- 二上り:5度+4度
- 三下がり:4度+増4度(トライトーン)
👉 三下がりの独特な響きは、この“トライトーン”が理由です。
まとめ
三味線の調弦は、たった3種類ですが、
それぞれまったく異なる世界観を持っています。
- 本調子:安定・基本
- 二上り:明るく華やか
- 三下がり:色気と哀愁
この違いを理解することで、
ただ音を出すだけでなく「表現としての三味線」が見えてきます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、
仕組み自体はとてもシンプルです。
ぜひ実際に音を出しながら、
それぞれの調弦の違いを体感してみてください。
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